来る

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うーん、あんまりぶっ飛んだ情熱が来る事はなく。

とても熟練された映画だと思います。イメージの扱い方や、テンポに置ける各シーンの構成まで含めて、淀みなく、また集中を必要とさせる部分と、それを抜くシーンとの合わせ方がとても上手だと感じるほど。

ただし、この映画が特別 [ホラー] かと言われてみると、実はそうでもないのかな、と思ったのも確か。怪物や化け物の姿が見えない、という点ではなく、超常現象のオカルト部分が大半を占めている印象です。

それがどうかと言えば、この映画自体のエンタメさに起因しているように思えてくるんですよ。エンタメと一言では漠然としていますが、何も考えずとも見ていて面白い、展開に委ねて考える部分を必要とさせないように誘導できている気がしてならない。それを簡単にさせているのが超常現象だと思ってます。

超常現象が起きる事によってキャラのテンションが変化し、その次の行動へと導線をきちっと確保する。その流れに淀みがないように、あえてヘンテコな怪物や化け物と言った「疑問」を挟まないようにして、あくまで登場している「画面」の上での話を大事にしている印象でした。

 

と、真面目に語ったところで、この映画は確実に「渇き。」の反省からか、特別変なシーンがありません。

B級的な部分を多く抱えているはずなのに、笑ってしまうほどの展開や場面が少ない。求めているものとの乖離がありました。

強いて挙げれば、沖縄除霊師の車横転→トラックの流れはよかったですね。

あそこが本映画最大の見せ場だったと感じました。できればトラックがその後爆発してくれれば文句なしだったんですが、妙に普通に終わったのがちょっと足りない。

 

映画としてみれば普通に楽しめ、普通に面白かった、と言えるものです。

ホラーが苦手でも大丈夫なくらい音で脅かす演出も少ないので、どちらかといえば怖いものは苦手だけど、実はちょっと興味ある、くらいの人にちょうどいいザ・エンタメの映画です。